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NPO長期インターン(前編)難民の方々と本音で語り合った日々

皆さんこんにちは。

大学3年生を終え、現在一年間休学しているYUKA(Instagram@yukagram2019)です。


皆さんはNPOで働く事に興味がありますか?

なかなかイメージが湧かないという方もいるかもしれません。私自身、以前はNPO勤務のイメージは発展途上国へ行って学校を建てるなど国外の活動や環境問題のイメージがありました。


今回は、1年間の国内スタートアップNPOでのインターンシップ活動について前編/後編に分けて綴ってゆきます。勤務していたのは「日本における難民の社会参画とエンパワーメント」を目指し活動するNPO法人WELgeeです。WELCOME + Refugee (難民を歓迎する)という意味が込められていて、”ウェルジー”と読みます。ぜひHPを開いてみてください。リニューアルしたばかりのトップ画面には難民というイメージを覆すほど格好いい難民の方々の姿があります!


前編では私が所属していた難民の方との交流イベント事業での経験について1年間全体を振り返り、後編では勤務最終日に行った4時間のフィードバックセッションに触れながらWELgeeの皆さんとの日々について書き留めます。


目次(前編)

  • 参加者1200人超え!難民と語る交流イベント事業に所属

  • プチ留学といっても過言ではない!カルチャーショックの連続

  • サポーターさんなど応援してくださる方との顔が見える身近な関係性


参加者1200人超え!難民と語る交流イベント事業に所属

私が所属していたのは、”WELgeeサロン”という難民の方々との対話型セッションを毎月開催するイベント事業です。難民について話す(talk about)ではなく、難民の人々と一緒に話す(talk with)場の提供をモットーに活動しています。


2016年から始まったサロンは、26カ国から累計1200人以上の方に参加していただきました。「クリスマス」「描くことで表現」「異文化間友情」など、毎回異なるテーマを決めて実施される様子は以下の動画からご覧いただけます。

*難民の方々のプライバシー保護の為、一部画像を加工しています。



私の活動は、既に2年間の歴史を持ち型はできていたサロン事業の1→100を、統括という立場で考えていくことだったので以下の3つのゴールを掲げました。

  1. ボランティア制度などの新しいポジションを作り、一般の方にサロン事業に関わってもらう機会を増やし、イベント以外で難民の方々と接する機会を創出する

  2. 難民の方々を運営側に巻き込み、共にサロンを作る為の体制を構築する

  3. 持続可能なイベント事業にする為に既存のチーム全体の組織体制を整理する

①イベント以外で難民の方々と接する機会を創出するに関して具体的には、新しく3種類のボランティア制度をつくり、インターン/プロボノ/ボランティアで構成される運営コアチームを作りました。最初は常駐メンバーが私一人から始まったので、ミーティングは私とNPO代表、私のメンター職員さん3人という日々が数ヶ月続きました。右も左もわからず正解のイメージすらも見えなかった所から、ボランティア募集をかけ、一人二人と新しい仲間が加わり、年明けにはコアメンバー7名のチームにまで成長しました。人数が増えたことで余裕ができ、難民の方と”共に”作るWELgeeサロンの場を考え始めました。


②難民の方々と共にサロンを作る為の体制を構築するに関して具体的には、難民の方々に一人一人インタビューした後、ミーティングに呼ぶなど一緒に活動する時間を増やしました。というのも、私が難民の方たちへ一人ずつインタビューを行った時、「運営側に入ってサロンを一緒に作りたい。僕たちをもっと頼って」と言ってくれた為、そこから「難民問題ではなく難民と共に話す」場は運営側にも取り入れられていきます。今まではアドバイザーだった彼らが、オーガナイザーとして共に歩む為の仕組みづくりを模索し始めます。


③持続可能なイベント事業にする為に既存のチーム全体の組織体制を整理するに関して具体的には、7名のコアメンバーを3つのチーム(企画、渉外、対内)に分けて、それぞれが役割を持ってスキルを活かしながら活動できる体制を作りました。今までは、一人や二人で全てのタスクを回さなくてはならなかったのですが、チーム全体で将来の事業設計図や収支計画など戦略的に事業を運営できるようになりました。


プチ留学といっても過言ではない!カルチャーショックの連続

いざ難民の方々とともに歩み始めてみると、今まで浮き彫りにならなかった価値観の違いから、わからない・理解できないことが次から次へと出てきました。アフリカや中東から来た彼らの持つ視点は、日本でずっと暮らす私とは全く違ったのです。まさに、いい意味で日本にいながら留学並みのカルチャーショックの連続です。


例えば、事前参加フォームの記入に関しての話し合いでのこと。

日本でイベントに参加する際は、事前の参加フォームへの記入が当たり前ですが、難民の方にとっては参加を強制することを意味するそうです。難民の方は、サロンはWELCOME Refugeesの場所で、当日の朝来たいと思っても来れる場所であって欲しいと願っていました。私たちは、彼らの意志を尊重し、結局参加フォームを導入をしませんでしたが、このように本音で語り合う中で、思ってもいなかった認識の差が浮き彫りになりました。他にもイベントの具体的なコンテンツの話をしようとしたところ、それ以前に作りたいイベント像が異なり、お互いの意見が全く食い違ってしまう事もありました。うまく思いを伝えられず涙がこぼれる時もありました。


でも、サロンが抱える問題や壁を一緒に考え解決するよと言ってくれる難民の方がいて、彼らと4時間にも及ぶミーティングを行い意見をぶつけ合いました。WELgeeサロンというイベントをもっと良くする為に、「あなたにとってのサロンの価値は?」など聞くと、「家のように安心でき、友達に出会い、日本の文化や習慣を学ぶ事ができる素敵な場所。」と言って、このイベント事業の大切さを熱弁してくれました。


サロンチームのミーティングの様子*難民の方々のプライバシー保護の為、一部画像を加工しています。

私と同じように、自分ごとで熱い思いを持って、この事業を語ってくれる仲間が難民の方々にも現れ、本当に嬉しい日でした。


サポーターさんなど応援してくださる方との顔が見える身近な関係性

私がWELgeeサロン事業を最前線で走り続けてこれたのは、影で支え応援してくれるサポーターの方々がいたからでした。毎月お菓子の協賛で支援してくださるサポーターさんとはフェイスブックでやりとりをしていて、毎回とっても温かいメッセージに溢れています。

例えば、「WELgeeのみんなについて聞こえてくるニュースでエネルギーもらっている!気持ちはいつも近くにいたい気持ちでいっぱいです(^^)」など、いつも励ましの言葉をかけてくださいます。このように顔が見えてお互いを身近に感じられる関係性がNPOの魅力だなと感じます。


最後に

私はWELgeeのインターンを通して、人生で初めて心から仲間と思える外国人の友達ができました。20年間も日本から出た事がなく世間知らずな私にとって、上記に書いたような経験はかけがえのない貴重な経験です。この経験があったからこそ、国籍で判断しない自分になり、言葉が通じなくても友情は築けると信じられる自分に、さらには色んな方の優しさに気づく事ができる自分に成長できました。後編に続きます!

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