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僕の頭に爆弾が降ってきた。パレスチナのガザ地区から逃げてきた青年との対話


皆さんこんにちは。

ベルギーでボランティア活動をしているYUKA(Instagram@yukagram2019)です。

首都のブリュッセルに来て1週間が経ち、やっと一人で買い物に行き自炊できるようになりました。


最近のマイブームは、スーパーで安く手に入るマッシュルームをオリーブオイルで炒めて食べることです。日本ではエリンギが大好きだったのですが、ここにはないのでマッシュルームで代用です。


この1週間で私が衝撃を受けたできごとを少しずつブログに書き綴っていこうと思います。第一弾は、難民シェルターで出会ったパレスチナ人の青年との対話です。


目次

  • パレスチナから来た青年との対話

  • イエメン人のおじさんの旅路

パレスチナから来た青年との対話

ガザ地区から来たという彼との会話は、ある一言から始まりました。

「僕の頭に空から爆弾が降ってきたんだ。」


彼はそう言って頭の傷痕を私に見せて、おもむろに語り始めました。目の前にいる彼は一見元気そうだったので、予想だにしない発言に内心戸惑いながらも、彼の話に耳を傾けました。

ガザ地区は「天井のない監獄」「世界最大の監獄」と言われています。まるで「進撃の巨人」のように、地域全体が高い壁に囲まれていました。2014年、ガザはイスラエルからドローンによる攻撃を受けました。地上戦も含めて、非常に熾烈な攻撃があった地域です。(出典:パレスチナ・ガザ地区はなぜ「世界最大の監獄」になったのか?|ゼロから問題を解説

パレスチナの青年の頭に爆弾が当たり、彼のおじさんの息子は空から降ってきた爆弾により亡くなったそうです。奇跡的に生き延びた彼は、はるばるベルギーまでやってきました。今は、内臓のどこかの調子が悪く、昨日病院に行ったばかり。ポケットから診断書を出して見せてくれました。悲しそうなやりきれない顔で、一生懸命に自分自身に起きた経験を伝えようとしてくれた彼の表情が頭から離れません。私はただ「あなたが生きていて良かった。」と、背中をさすることしか出来ませんでした。


難民シェルターで働く人々は「ベルギーにたどり着く人々はラッキーだ。」と言います。それは多くの人々が、地中海をボートで渡る時などに命を落とすからです。でも私は、決して目の前の彼に「あなたはベルギーにたどり着けてラッキーだったね。」とは言えませんでした。私とほとんど年が変わらない彼はたった一人、異国の地で生きていかねばならないのです。


彼はアラビア語しか話せず、隣にいたイエメン人のおじさんが、私に対して英語の通訳をしてくれました。


イエメン人のおじさんの旅路

おじさんは、イエメンから飛行機でエジプトに行き、そこからアフリカのリビアを目指し、リビアからボートで地中海を渡り、さらにイタリア、ドイツを経由してベルギーに来たそうです。


イエメンからヨーロッパへの道(Googleマップ引用)

ここベルギーでは、アフリカ大陸北部のリビアからボートでヨーロッパまで辿り着いた人がほとんどです。皆、ブリュッセルに来るまで多くの国を経由し、何年もかけてこの地を目指します。そして彼らの旅はまだ終わりません。ここから更に多くの人がイギリスを目指してトラックやフェリーに乗ります。


私が、おじさんに「なぜたくさん難民を受け入れてるドイツで難民申請しないの?」と聞くと、おじさんは「彼らはイエメン人を受け入れない。シリア人だけさ。ドイツでシリアは有名だから難民として認められるけど、イエメンは拒否される。それにアラブ系の人たちがもっといるのはベルギーだ。だからベルギーに来た。」と言っていました。確かにベルギーには思っていたよりも多くの中東やアフリカ系の人々がいる印象です。


皆さん、シリアだけでなくイエメンも悲惨な状況に置かれ、多くの人が国から逃げているのを知っていましたか?


私は彼の言葉を聞くまで、イエメンはシリア難民を受け入れている国のひとつで、難民を輩出しているとは思いませんでした。以下は、イエメンに関する記事です。

イエメン人のおじさんは、私にGoogleマップを使って、すごく丁寧に中東について教えてくれました。「ここがサウジアラビアで、ここがクウェート、ここがドバイ、そしてここがイエメンだよ」と。私が「ドバイ空港で乗り継ぎした。」と伝えると、少しはにかんだ彼の笑顔が印象的でした。


彼らに「日本は政府が運営する難民シェルターが一つもないんだよ。」と伝えると、言葉を失っていました。ベルギーに住む難民の人たちは皆、「日本は綺麗。日本はすごい。車が有名。日本にいつか行ってみたい。」と屈託のない笑顔で言ってくれます。


でも、果たして日本は、そんな彼らをきちんと保護し、人として満足な生活を営むシステムが確立しているのでしょうか?


私は、自信を持って保護を求める難民の方に、「私が生まれ育った日本はいい国だよ。あなたの第二の人生にふさわしい場所だ。」と言える日が来るはずだと心の底から信じています。これからもベルギーなどヨーロッパや日本の難民問題について発信していくので温かく見守っていただけると嬉しいです。

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